
霊長類(マーモセット)の高次脳機能を担う神経回路の全容をニューロンレベルで解明することにより、ヒトの精神・神経疾患の克服や情報処理技術の高度化に貢献します。
霊長類(マーモセット)の高次脳機能を担う神経回路の全容をニューロンレベルで解明することにより、ヒトの精神・神経疾患の克服や情報処理技術の高度化に貢献します。
第8回 日本マーモセット研究会大会 (大会長:岡野栄之) が 2019年2月6日、7日の2日間にわたり開催されました。基盤技術の開発、発生から病態モデルまで、幅広い講演と多くのポスター発表はたいへん盛況であり、日本のマーモセット研究の裾野の広がりを感じられる大会となりました。
本研究では、遺伝子にコードされた膜電位センサーの比較評価を初代培養神経細胞ならびに生体マウスを用いておこない、各々のセンサーの性能や長所・短所を明らかにしました。本研究で得られた成果は膜電位センサーを選択する際の有用なガイドとなり、神経活動イメージング分野の発展に貢献することが期待されます。
本研究チームは、対物レンズ下の空間に着目した新たな顕微鏡の開発を行い、最大6mm離れたマウス大脳皮質領野での単一細胞解像度を持つ神経細胞活動イメージングを可能としました。本研究成果は、複数領野の神経活動計測を簡便な機構によって実現するもので、今後幅広く脳機能研究に用いられ、分野の発展に貢献することが期待されます。
目標に向けて行動選択をモニターし、更新する線条体の直接路と間接路
本研究では、最先端の生理学的・光遺伝学的実験技術を駆使して、大脳基底核の直接路は行動選択の結果報酬を得た場合にその行動を再選択し、間接路は無報酬であった場合に選択を切り替えることを発見しました。現代心理学の基礎理論「行動は報酬と懲罰によって形成される」の脳内メカニズムの解明に一歩近づく成果です。