革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明(革新脳)

霊長類(マーモセット)の高次脳機能を担う神経回路の全容をニューロンレベルで解明することにより、ヒトの精神・神経疾患の克服や情報処理技術の高度化に貢献します。

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2023.11.30
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マウス腎臓被膜下に移植した卵巣からマーモセット卵子の取得、胚生産に世界初の成功 -ヒト生殖補助医療に資する胚操作技術の開発-

ヒト疾患の解明や治療法の開発には、小型霊長類のマーモセットを遺伝子操作した動物モデルが極めて有用ですが、その作製には多くの胚を必要とします。本研究グループは、胚を作製する新しい方法の開発のため、全国のマーモセット研究者からマーモセット卵巣の提供を受け、マウスの腎臓被膜下に移植し、ホルモン投与により成熟させた卵子を採取し、受精させて胚を生み出し胚盤胞を作ることに成功しました。異種間移植により子宮に着床可能な霊長類の胚を得たのは世界初です。本研究成果は「Scientific Reports」(10月24日付)に掲載されました。

2023.11.29
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ヒトの脳の理解に近づく「脳の地図づくり」

理研クローズアップ科学道に革新脳プロジェクト 中核拠点(理化学研究所 脳神経科学研究センター)の渡我部 昭哉研究員のインタビュー記事が掲載されました。

2023年5月に革新脳プロジェクトの主要な成果として発表された「マーモセットの脳の地図」作成とその研究成果について分かりやすく解説されています。
全文は理化学研究所Webサイトをご覧ください。

2023.11.20
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脳予測に関わる誤差信号が高次聴覚野から一次聴覚野へフィードバックすることを発見 ―ミスマッチ陰性電位の正体の一端が判明―

本研究では、霊長類コモンマーモセットの大脳皮質聴覚野の神経活動を高い空間解像度でイメージングすることで、同一の音がある時間間隔で繰り返して鳴っているときに、逸脱音が入り込むとその直後に、高次聴覚野前方部から一次聴覚野へ予測誤差信号がフィードバックすること、これが一次聴覚野の逸脱音に特異的な反応成分(ミスマッチ陰性電位)の正体であることを明らかにしました。本研究成果は、統合失調症患者で減弱するミスマッチ陰性電位のメカニズム解明につながると期待されます。本研究成果は「Nature Communications」(11月13日付)に掲載されました。

2023.10.17

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時空間での蛍光相関解析が生体深部超解像イメージングを可能にするー生きた脳の深部でナノスケールの神経細胞微細形態の可視化に成功ー

本研究では蛍光顕微鏡観察像の時空間相関解析に基づく超解像法SRRFを二光子励起顕微鏡に適用することで、これまで観察が困難であった生体脳深部(脳表から500μm)のナノスケールの神経細胞微細形態を可視化することに成功しました。この手法は画像解析による手法であり、一般的な二光子励起顕微鏡の観察に容易に適用できる一方で、既存超解像顕微鏡法と同等の空間分解能・形態再現性を生体深部で達成できることから、神経科学のみならず、生体深部の微細な空間で生じる様々な生命現象の解明に貢献することが期待されます。本研究成果は「Frontiers in Cellular Neuroscience」(10月10日付)に掲載されました。

2023.10.17

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思春期における心理的困難さと脳の発達との関連を解明

本研究グループは、思春期を対象としたコホート研究を行い、13歳から16歳における心理的困難さの変化と脳波により測定されるミスマッチ陰性電位の変化が関連することを明らかにしました。この結果は、思春期の心の不調のメカニズム解明に役立つ可能性があり、心の健康増進に貢献することが期待されます。本研究成果は「Cerebral Cortex」オンライン版(10月10日付)に掲載されました。

2023.10.16

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全パルス光源・タイムゲート検出系を駆使した超解像二光子顕微鏡の開発 ー脳組織「ナノ」イメージングの新たなアプローチー

本研究では世界ではじめて全パルス光源・タイムゲート検出系を駆使した超解像二光子励起顕微鏡(全パルス式二光子STED顕微鏡)を開発し、タイムゲート検出がこれまで考えられてきた以上に脳組織の二光子STED像の空間分解能の向上に寄与することを見出しました。脳組織深部などで起こる”ナノスケール”の生命現象をありのままに可視化し、生物学・医学研究の更なる発展に貢献できることが期待されます。本研究成果は「PLOS ONE」(8月24日付)に掲載されました。

2023.10.12

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トラウマ記憶はどのようにして脳内に作られるのか 〜光と機械学習で脳神経細胞ネットワークレベルの変化を初めて解明〜

恐怖心の制御は人や動物の生活で非常に重要です。強い恐怖体験の記憶、すなわちトラウマ記憶は、実生活に様々な不自由をもたらすこともあります。近年の研究で脳のどの部位が関わるかは分かってきたものの、詳細な仕組みは未知の部分が多く、関連する精神疾患では決定的治療法が確立出来ていません。本研究グループは、光学と機械学習の融合的新手法によりトラウマ記憶に関わる脳神経細胞ネットワークを検出することに成功し、記憶形成に伴う複雑な変化を捉え、トラウマ記憶が生まれる仕組みを解明しました。本研究成果は「Nature Communications」に掲載されました。

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  • 革新脳ウイルスベクターコア
  • Marmoset Gene Atlas
  • Brain/MINDS Data Portal

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