革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明(革新脳)

霊長類(マーモセット)の高次脳機能を担う神経回路の全容をニューロンレベルで解明することにより、ヒトの精神・神経疾患の克服や情報処理技術の高度化に貢献します。

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2020.07.15
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母子手帳で評価した母乳栄養期間と早期思春期における背側および腹側線条体および内側眼窩回の体積との関連

本研究により、母子手帳をもとに評価された母乳栄養期間と早期思春期児童における脳の灰白質体積(背側および腹側線条体と眼窩前頭前野の体積)とが正の相関を示すことが明らかになりました。これらの結果は、母乳栄養が感情的発達に関連する脳領域の神経発達に重要な役割を果たしていることを示しています。

新しい脳内情報伝達様式を発見―病態の発症・治療への手掛かりに―

意欲行動の開始時には島皮質から線条体へ投射する神経の活動が下がります。にも拘わらず、受け手の線条体神経の活動は上がります。研究グループは、パルブアルブミン陽性の線条体介在神経が、上流の活動を逆転させて下流を興奮させるフィードフォワード脱抑制を仲介する責任細胞であることを明らかにしました。本研究成果は「Cell Reports」に掲載されました。

ミトコンドリアのマイトファジーを可視化する蛍光技術―パーキンソン病の診断と治療に貢献―

本研究では、リソソーム環境に耐性の蛍光タンパク質「TOLLES」を作製し、それを元にマイトファジーを定量的に可視化する蛍光センサー「mito-SRAI」を開発しました。mito-SRAIを用いて、パーキンソン病モデルマウス中脳のドーパミン神経において、マイトファジー不全と細胞死が相関することを示しました。さらに、76,000種の化合物の中からパーキンソン病治療薬の候補を見いだしました。本研究成果は「Cell」に掲載されました。

3次元組織学による全臓器・全身の観察技術を確立―組織の物理化学的性質に基づき理想的なプロトコルを設計―

研究者らは、生体組織の物理化学的物性を詳細に調べ、「電解質ゲル」の一種であることを明らかにしました。この物性を元に組織3次元染色の必須条件を探索するスクリーニング系を構築し、理想的な3次元染色プロトコルをデザインしました。CUBIC-HistoVIsionと命名した新規の3次元染色・イメージング法は、マウスの全脳、マーモセットの半脳、ヒト脳組織ブロック等を均一に染色し、3次元的な全臓器組織観察を可能にしました。本研究成果は「Nature Communications」に掲載されました。

2020.05.13

グルコシルセラミド分解酵素はガラクトース転移反応を触媒し、新たに同定された脳内ステロール代謝物・ガラクトース化コレステロールを産生する

今回私たちは、新規脳内ステロール代謝物としてガラクトース化コレステロールを発見しました。また、これまでガラクトース代謝への関与が知られていなかったグルコシルセラミド分解酵素が、ガラクトシルセラミドからコレステロールへのガラクトース転移反応を触媒し、新規脂質を合成することが明らかになりました。

アルツハイマー病発症の初期過程に関わる新規分子CIB1の同定

アルツハイマー病(AD)発症過程では、まずアミロイドβペプチド(Aβ)が蓄積し、続いてタウの蓄積を引き起こして神経変性に至ります。本研究では、ゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いて、AD発症最初期過程であるAβ産生の新規制御分子CIB1を同定しました。また初期AD患者脳でのCIB1発現変動を見出し、AD発症におけるCIB1の寄与を明らかにしました。新たなAD治療戦略の提示に繋がることが期待されます。本研究成果は「The FASEB Journal」に掲載されました。

ライソゾーム病の原因遺伝子がパーキンソン病の発症に関わることを発見―ライソゾーム関連蛋白を標的とした新規治療法への可能性―

本研究では、ライソゾーム病の原因遺伝子であるプロサポシンのサポシンD領域の遺伝子変異・遺伝子多型がパーキンソン病の発症に関わっていることを発見しました。患者由来のiPS細胞から分化させたドパミン神経細胞では、パーキンソン病に特徴的なタンパク質であるαーシヌクレインの蓄積・凝集がみられました。また、患者と同じ遺伝子変異を持つマウスでは、パーキンソン病によく似た運動障害の症状を示しました。パーキンソン病の病態解明や新規治療法、新薬の開発に役立ち、疾患克服に向けて大きな一歩になる可能性があります。本研究成果は「Brain」に掲載されました。

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  • 革新脳ウイルスベクターコア
  • Marmoset Gene Atlas
  • Brain/MINDS Data Portal

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