革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明(革新脳)

霊長類(マーモセット)の高次脳機能を担う神経回路の全容をニューロンレベルで解明することにより、ヒトの精神・神経疾患の克服や情報処理技術の高度化に貢献します。

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パーキンソン病の症状を引き起こす神経メカニズムを解明

ヒトに近い霊長類であるニホンザルのパーキンソン病モデルを用いて、症状を引き起こす神経メカニズムを明らかにしました。これまでは神経活動の増加や活動パターンの異常によって症状が説明されてきましたが、今回の結果は定説とは異なり、大脳基底核の神経経路のうち「直接路」を通る運動情報の伝達が弱まっていることが、より本質的な変化であることを示しました。また「直接路」を通る情報伝達を回復してやれば症状が軽くなることも示し、パーキンソン病の新たな治療法の開発にもつながると期待できます。本研究成果は「Cerebral Cortex」に掲載されました。

脳全体に広がる聴覚応答の新たなネットワークを発見

難治性てんかんの手術治療におけるてんかん発生源の診断目的に留置された頭蓋内電極記録により、聴覚ガンマオシレーションが、前頭葉や頭頂葉にまで広がる脳全体の複雑なネットワークから発生することを明らかにしました。この結果は、統合失調症などの精神疾患で低下している聴覚ガンマオシレーションの発生メカニズムの理解につながり、将来の診断や治療の開発に役立つことが期待されます。本研究成果は「Cerebral Cortex」に掲載されました。

マーモセットの遺伝子発現データベースを公開―新しい脳神経科学モデル動物として期待―

コモンマーモセットの脳内で、発達障害や精神疾患にかかわるとされる遺伝子の網羅的な発現解析によってこれらの遺伝子が特定の脳領域に限局した形で発現していることを明らかにしました。また世界中の研究室で一番利用されているモデル動物であるマウスとヒト脳の発現パターンの比較から、マーモセットとヒトでは多くの共通する発現パターンが存在することを明らかにしました。本研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)」に掲載されました。

双極性障害患者神経細胞におけるDNAメチル化変化とその特性を解明

本研究では、双極性障害患者前頭葉試料を用い、神経細胞核分画を行った上で網羅的なDNAメチル化解析を行いました。その結果、患者では多くの遺伝子が低メチル化状態にある一方、精神・神経機能に重要な遺伝子は高メチル化されていることを明らかにしました。DNAメチル化状態に変化のあった領域は、双極性障害との遺伝学的関連が報告されているゲノム領域に有意に集積しており、遺伝要因との関連が認められました。本研究成果は「Molecular Psychiatry」に掲載されました。

脳の宇宙を捉える顕微鏡―世界初、多領域にまたがる神経ネットワークのエコ特性を発見―

本研究では、広視野・高解像度・高速撮像・高感度・無収差を同時に満たす世界初の2光子顕微鏡を開発しました。従来の顕微鏡では、観察視野が狭い、または視野は広くても、空間解像度が低いか、神経活動の記録速度が低速でした。そのため、多領域にまたがる細胞レベルでの広域ネットワークの機能的構造は不明でした。マウス大脳皮質から1万6000個以上の神経細胞の活動を、9mm²(従来の36倍)の単一視野面から7.5Hzの撮像速度で高感度に測定することに成功しました。観測したデータを用いて細胞レベルでのネットワーク解析を行った結果、大脳皮質はスモールワールド性を持つことを世界に先駆けて発見しました。本研究成果は、「Neuron」に掲載されました。

汎化能力を最大化する特徴抽出―信頼性・説明可能性の高いデータ予測―

本研究では、将来の入力を予測するために最も有益な成分を抽出する教師なし学習手法「PredPCA(予測主成分分析)」を開発しました。予測不可能なノイズを除去しつつ、解が一意に定まるような最適化方法によって、テスト予測誤差を最小化できます。例えば、動画から予測の汎化に重要な隠れた特徴を抽出することが可能です。自動運転や医療診断など、解の一意性や精度保証が重要な状況における予測の信頼性の保証に役立つと期待できます。本研究成果は、「Nature Machine Intelligence」に掲載されました。

パーキンソン病モデルへのペランパネルの有効性―パーキンソン病の進行抑制治療への期待―

パーキンソン病では、αシヌクレインという蛋白質が神経細胞に異常に蓄積・凝集し、それが神経細胞の間を伝播することで病状を進行させると考えられています。本研究では、αシヌクレインフィブリルを投与した培養細胞とマウスを用いた実験により、抗てんかん薬の一種である「ペランパネル」が、マクロピノサイトーシスによるαシヌクレインフィブリルの細胞内への取り込みと、引き続いて起きる細胞内αシヌクレイン凝集体形成を抑制することを見出しました。本研究成果は、「Movement Disorders」に掲載されました。

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  • 革新脳ウイルスベクターコア
  • Marmoset Gene Atlas
  • Brain/MINDS Data Portal

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