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脳自身が生み出す活動と外界からの入力による活動を大脳神経回路が分離する新しいメカニズムを解明

東京大学大学院医学系研究科の大木研一教授らの研究グループは、大脳皮質の階層的ネットワークが自発活動(脳自身が生み出す活動)と視覚情報(外界からの入力)を分離する新しいメカニズムを解明しました。本研究では、小型霊長類マーモセットの大脳皮質において低次視覚野と高次視覚野で自発活動と視覚応答の空間的パターンを比較し、低次視覚野では自発活動と視覚応答のパターンが似ているが、高次視覚野に向かってパターンが異なってくることを発見しました。大脳皮質の新しい情報処理メカニズムを提唱するとともに、ノイズ(自発活動)に強い生物の脳の優れた特徴を取り入れることによって、ノイズに強い人工知能を開発する手がかりとなります。本研究成果は、「Nature Communications」(2024年12月4日オンライン)に掲載されました。