グループ長
花川 隆
京都大学 大学院医学研究科 教授
神経変性疾患マーモセットモデル研究と患者画像データベース研究を橋渡しする新たな研究プラットフォームを構築します。
分担課題
2A
アルツハイマー病マーモセットモデルの改良と解析、ならびにRett症候群マーモセットモデルの作出・供給
本研究では、アルツハイマー病マーモセットモデルを開発・改良・維持管理し、革新的な技術による認知行動機能解析、神経画像解析、生理学的解析、生化学的・病理学的解析を行い、霊長類特異的な表現型、病態、神経回路異常を解明し、新たなバイオマーカーや治療法の開発に取り組みます。また、Rett症候群マーモセットモデルを作出、維持管理し、解析を行う研究グループへ提供します。
2B
神経変性疾患モデルマーモセットの作出・維持管理・供給ならびに前頭側頭葉変性症に関わるシグナル分子の解析と創薬に向けた研究
前頭側頭葉変性症などの神経変性疾患のモデルとなる遺伝子改変マーモセットを開発・維持管理し、脳神経病理や生化学的な異常を解析します。また、前頭側頭葉変性症に関わるGタンパク質共役型受容体の機能を明らかにするとともに、同受容体を標的とした化合物の効果を疾患モデルマーモセットにて検証し、前頭側頭葉変性症の治療薬開発につながる成果の創出を目指します。
2C
病因タンパク質接種による神経変性疾患マーモセットモデルとその病態マーカー解析及び研究支援
上村 紀仁 / 尾上 浩隆 / 梅田 達也
京都大学 大学院医学研究科 特定講師 / 客員教授 / 准教授
動物種別のαシヌクレイン線維の提供と、疾患特異的αシヌクレイン線維増幅法の開発とその提供により、シヌクレイノパチー研究の支援を行います。また、嗅球または消化管神経叢に、αシヌクレイン線維、または疾患特異的αシヌクレイン線維を投与し、シヌクレイノパチーモデル動物を作製し提供を行います。さらに、超高磁場MRIと多チャンネル皮質脳波記録によるシヌクレイノパチーモデル動物の病態回路マーカーを解析する方法を開発・技術供与を行います。
2D
神経変性疾患統合データベース研究支援拠点
本研究では、PADNI( https://padni.org/ )をはじめとするAMED革新脳・国際脳コホート研究で集積された高齢者・神経疾患患者データを包含する神経変性疾患統合データベースを構築します。このデータベースを、大規模地域コホート規範データ統計値、生物学的マーカー、ヒト死後脳由来の情報など、多モーダル・多階層データと有機的に連結させることで強化します。また、統合データベースと連結した解析パイプラインの設計、機械学習による疾患判別・予後予測モデル等の構築を通じ、産官学研究の支援を行います。
2E
超高磁場MRI情報と連結した生体情報の網羅的画像化による神経変性疾患の病理研究技術の開発と支援
本研究では、神経変性疾患の病理研究技術を開発・支援するために健常者および神経変性疾患患者における摘出脳の超高空間分解能MRIと連結した免疫組織化学染色(IHC)、質量分析イメージング(MSI)のデータベース構築を行います。また、これらデータに基づきMRIからIHCやMSIで得られる様々な生体情報を生成・推定可能な深層学習モデルを構築します。このようなデータベースを様々な研究支援にも繋げていきます。
2F
神経疾患脳画像データベース利活用研究を支えるIBISS基盤整備及び支援
当施設で整備された脳画像統合イメージングサポートシステム「IntegractiveBrain Imaging Support System(IBISS)」は革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明(革新脳)や戦略的国際脳科学研究推進プログラム(国際脳)で実施された精神神経疾患の脳画像コホート研究データを格納するプラットフォームの役割を果たしています。収集済みデータを用いた利活用研究を推進するべく、データ可視化のためのカタログ・検索機能を整備します。さらに、個別重点課題で開始する新たな画像研究課題にデータ集積・格納機能を提供します。