情動が記憶を強化する神経メカニズムを解明-楽しい体験は睡眠中に脳の協調性を高める-
2025-02-04
理化学理化学研究所脳神経科学研究センターの村山正宜チームリーダー、神戸大学大学院理学研究科の森田光洋准教授、福島県立医科大学の小林和人教授らの共同研究グループは、楽しい体験など情動にひもづいた知覚記憶が、睡眠中における脳の扁桃体と大脳皮質という領域の協調した活動によって強化される仕組みを解明しました。本研究成果は、知覚記憶と情動の関係を明らかにする新たな知見を提供するとともに、依存症や心的外傷後ストレス障害の克服に向けた神経基盤の理解に貢献すると期待されます。また、今回着目した脳領域だけでなく、より網羅的に複数の脳領域から同時に神経活動を記録することで、脳内の記憶処理過程や疾患メカニズムを包括的に理解できるようになると期待されます。その実現には大規模計測法の開発が不可欠であり、今後さらに重要性が増すと考えられます。本研究成果は「Neuron」に掲載されました(2025年1月29日)。