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タウオパチーモデルマウスではCD8陽性T細胞の脳内での増加を介して神経変性を増悪させる免疫連関による認知症病態制御の一端を明らかに

多発性硬化症(MS)の治療薬フィンゴリモド (FTY720)を認知症タウオパチーモデルマウスに投与すると、脳内のCD8陽性T細胞を増加させ、脳の萎縮を促進させることを見いだしました。FTY720は、血中のT細胞数を減少させ、脳内へのT細胞の侵入を抑制し、MSの症状を抑制する効果が知られています。しかし、タウオパチーモデルマウスでは、FTY720投与により血中のT細胞数は減少するものの、脳内のT細胞が増加するという予想外の結果が示されました。タウオパチーの発症機構において脳―免疫の相互作用が重要な役割を果たしていることを示唆しています。本研究成果は「Brain Communications」に掲載されました。