革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明(革新脳)

霊長類(マーモセット)の高次脳機能を担う神経回路の全容をニューロンレベルで解明することにより、ヒトの精神・神経疾患の克服や情報処理技術の高度化に貢献します。

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多色蛍光シグナル増幅システムFT-GO法の開発に成功 ― 操作安定性が高く簡便な多色蛍光シグナル増幅システムを構築 ―

グルコースオキシダーゼによるグルコースの酸化反応とチラミドシグナル増幅法(TSA法)とを組み合わせることにより、操作安定性が高く簡便な多色蛍光シグナル増幅システムである、FT-GO (Fluorochromized Tyramide-Glucose Oxidase) 法の開発に成功しました。FT-GO法は、従来の一般的な検出法である間接法と比較して約10倍から30倍、直接法と比較して約60倍から180倍のシグナル増幅を可能にし、組織化学解析において幅広い使用が期待されます。本研究成果は「Scientific Reports」に掲載されました。

神経変性疾患の原因となる異常タンパク質を生体脳で画像化することに成功 ‐異常タンパク質「αシヌクレイン」病変を捉えるPET薬剤を産学連携で創出‐

 

多系統萎縮症において、原因と考えられるタンパク質であるαシヌクレイン病変を、生体脳で明瞭に画像化することに成功しました。本研究では、製薬企業3社との連携によってαシヌクレイン病変を捉える放射性薬剤を開発し、高感度の可視化を実現しました。αシヌクレイン病変はパーキンソン病やレビー小体型認知症でも中心的な病変となることから、本技術は多様な神経難病の発症機構解明や、診断治療に大きく寄与することが期待されます。本研究結果は「Movement Disorders」に掲載されました。

パーキンソン病の認知機能障害は鼻からはじまる?―レヴィ小体病における嗅覚系伝播経路の解明―

パーキンソン病やレヴィ小体型認知症を含むレヴィ小体病ではαシヌクレインが脳内を伝播することで病態が進展すると考えられています。マーモセットの嗅球へαシヌクレインの凝集体を接種することで、レヴィ小体病における嗅覚系伝播経路を再現し、陽電子断層撮影(PET)画像を用いて脳機能が低下することを示しました。本研究成果は「Movement Disorders」に掲載されました。

脳内異常タンパク質の画像から多様な認知症のタイプを自動で判別‐疾患の自動診断に向けてAIを活用した新技術を創出‐

多様な認知症で脳内に蓄積する異常なタウタンパク質(タウ病変)の陽電子断層撮影(PET)画像を人工知能(AI)で解析し、タウ病変の蓄積パターンを自動で評価できる基幹技術を開発しました。タウ病変の蓄積パターンから、代表的認知症である「アルツハイマー病らしさ」と、運動障害を伴う認知症である「進行性核上性麻痺らしさ」の判別に役立つスコアを算出できるようにAIを訓練し、そのスコアによってこれらの認知症が高い精度で識別できるだけでなく、スコアの高さは疾患の重症度の尺度としても有用であることを示しました。本研究成果は「Movement Disorders」に掲載されました。

2022.08.19

自閉症モデルマーモセットのストレスホルモンは高値 -自閉症ストレス研究への有用性-

自閉症者は自閉症特有の社会性の障害やこだわりの強さのため、社会での生きづらさのような多くのストレスに面しています。自閉症者のストレスは二次障害としてのうつ病、不眠、消化器障害を引き起こすと考えられており、自閉症のストレスに関する研究は重要です。本研究はバルプロ酸誘導自閉症モデルマーモセットの唾液のストレスホルモン・コルチゾールが高値であることを示しました。また、コルチゾールの高さはモデルマーモセットの社会性の障害の程度と関与しているという結果を得ました。本研究は、自閉症モデルマーモセットの社会性に関わるストレス研究への有用性を示しています。

大脳神経回路形成の新戦略――大脳皮質の多数の領野を結ぶ結合を効率よく作るた めの並列モジュール戦略を解明

本研究では、世界で初めてマウス大脳視覚野と視床核を含む領野間結合がどのように形成されるのかを網羅的に調べ、多数の領野間結合を含む複雑な脳神経ネットワークを効率的に形成するための新たなメカニズムを明らかにしました。本研究の成果は、将来的に先天性盲などの疾患に対する治療法や、優れた人工知能を形成するための回路形成アルゴリズムに応用されることが期待されます。本研究成果は「Nature」オンライン版(8月3日付)に掲載されました。

日本人最大規模の自閉スペクトラム症患者を対象とした全ゲノム解析により、神経細胞シナプス機能の病態への関与を証明

自閉スペクトラム症(ASD)の発症には、遺伝要因の関与が示唆されていますが、その解明は未だ不十分でした。本研究では、日本人ASDを対象としたエクソーム(全ての遺伝子のタンパク質コード領域のゲノム配列を解読する)研究としては最大規模の合計約600名のゲノムサンプルを解析した結果、シナプス機能に関与する遺伝子セットが健常者よりもASD患者で統計学的に優位に多く存在することを示しました。特にシナプス機能に関与するABCA13がASD病態に関与する強いエビデンスが得られ、本研究からASD病態解明へのヒントが示されました。本研究成果は、「Translational Psychiatry」に掲載されました。

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  • 革新脳ウイルスベクターコア
  • Marmoset Gene Atlas
  • Brain/MINDS Data Portal

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